燕窩――アナツバメの巣。
それは、東南アジアの断崖に棲むアナツバメのオスが、みずからの唾液だけで編み上げた、一枚の巣。
木の枝も、羽毛も、混じらない。ただ、命をつなぐための分泌物だけが、幾重にも重なり、かたちを成します。
一つの巣が編まれるまでに、約30日。採取できる場所は限られ、収穫できる時期も限られます。
だからこそ燕窩は、古来より東洋において「高級漢方食材」として扱われ、王侯貴族の食卓にのぼる希少な滋養食材として、大切に受け継がれてきました。
美津村は、この希少な自然の結晶と、40年にわたり向き合い続けています。
アナツバメの巣は、天然のままでは分子量が非常に大きく、水にも溶けにくい性質を持ちます。煮込んで食べても、体内に十分取り込まれないまま排出されてしまうことが少なくありません。
この課題に向き合うために生まれたのが、「エキス化」という工程です。分子量を小さくすることで、水への溶けやすさ・体への取り込まれやすさを高める――それがエキス化の目的です。
ただし、同じ「エキス化」という言葉であっても、その処理方法は製造元によってさまざまです。分解の方法、反応の温度や時間、抽出の条件――工程の一つひとつの選択が、出来上がったエキスの性質を左右するのです。
原料が同じ燕窩であっても、どう処理するかによって、まったく異なるエキスが生まれる。それが、「燕窩エキス」という一つの言葉ではくくれない、この素材の奥深さでもあります。
「マイルドリアクト製法」――それは、美津村が独自に確立した、燕窩エキス専用の処理方法です。
美津村は1999年、燕窩エキス専用の処理プラントを完成させて以来、25年以上にわたり処理方法の改良を重ねてきました。原料はすべて同じ天然のアナツバメの巣でありながら、処理方法ひとつで、出来上がるエキスの性質は大きく変わる。40年にわたってアナツバメの巣と向き合い続けてきたからこそ見えてきた、この事実への答えが、マイルドリアクト製法です。
数値にできない生命を、まるごと。
原料を生かし、人間にとって役立つかたちへ――。品質向上への探求は、今も続いています。
だからこそ美津村は、原料の卸販売を一切行いません。目的に応じて処方した自社製品にのみ、この製法で得たエキスを必要量配合する。それが、美津村の一貫した姿勢です。
シアル酸は、単体の成分としても知られていますが、本来は糖鎖の一部として、タンパク質と結びついた「シアリル糖タンパク質」という形で存在しています。
燕窩に含まれるシアル酸も同様です。アナツバメの巣は、シアル酸が単独で遊離した状態ではなく、糖タンパク質としての構造を保ったまま、その恵みを蓄えているのです。
美津村は、この「本来のかたち」を保つことを、エキス化における一つの指針としています。成分を単離・精製して取り出すのではなく、素材が本来持っている構造をできる限りそのままに、エキスへと導く――それが、美津村の考える燕窩エキスのあり方です。
燕窩には、シアル酸、E.G.F.様物質、F.G.F.様物質――これまでの研究で見出されてきた成分があります。
しかし、それがすべてではありません。燕窩には、まだ名前のついていない成分、その働きが解明されていない成分が、数多く含まれていると想定されます。
美津村は、この「わからなさ」を、埋めるべき欠落とは考えていません。むしろそれは、自然が長い時間をかけて育んだものを、人間の知がまだ追いついていないだけのことだと捉えています。
数値にできない生命を、まるごと。――それは、解明された成分だけを取り出すのではなく、燕窩が本来持つ全体を、そのままエキスへと導くという、美津村の基本姿勢です。
美津村燕窩エキスは、これまで一般消費者だけでなく、漢方相談薬局、エステサロングループ、鍼灸治療院など、多方面の専門家からも選ばれてきた。
業種も、扱う分野も異なる専門家たちが、共通して美津村の燕窩エキスに関心を寄せる理由――それは、原料の選定から製法まで、一貫して自社で管理してきた美津村の姿勢そのものにあるのかもしれない。
効能を語る前に、まず素材そのものと向き合う。それが、多方面のプロフェッショナルたちに、美津村が選ばれ続けてきた理由である。
原料は卸さない。
自社製品にのみ、使用する。
燕窩エキスは、原料として広く流通しているわけではない。美津村は、自社で製造した燕窩エキスを、外部へ卸すことを一切行っていない。
その理由は単純である。エキスをどれだけ配合するかによって、製品の性質は大きく変わる。原料だけを外部に渡してしまえば、それがどのように、どれだけ使われるかを、美津村自身が把握することはできなくなる。
だからこそ美津村は、目的に応じて処方を設計し、その結果が確かに伴うよう検討した必要量を、自社製品にのみ配合するという方針を貫いている。原料から製品まで、すべての工程に責任を持つ。それが、美津村燕窩エキス研究所としての一貫した姿勢である。